なろう少女小説のススメ

なろう小説の中でも少女小説っぽい作品(独断)をレビューします。

レビュー:シリアスなのになりきれない『神様は、少々私に手厳しい!』

いつからお前は「異世界トリップでは言葉が通じるのは当たり前」だと思い込んでいた……? 『神様は、少々私に手厳しい!』は王道かつシリアスな展開にも関わらず主人公の言動が珍妙なせいでどうしてもコメディにしか分類できないラブコメ?異世界トリップです。

確かに疑問だったんですよね……。なんで異世界で、当たり前のように言葉が通じるのか? 会話はOKで読み書きはNGなのは何故? 主人公補正と言われればそれまでですが、よくよく考えたらおかしくないですか?

誰もが抱くこの疑問(異世界言語問題)を避けずに取り扱ってくれたのがこの作品です。……いや、そういう作品は他にもたくさんあるんです。言葉を上手く喋れないヒロインって萌えるしね。でも、この作品の主人公カズキの言語能力はちょっと壊滅的すぎる。一度日本に帰還して再びトリップする、いわゆる出戻りトリップなんですが、出戻り後一言目の会話文で、おや?って思いましたよね。なんかね、語尾に「ぞよ」ってついてるんですよね。……残念すぎる。しかしそれがこの作品の味でもあります。話を追うごとに展開はどんどんシリアスに。せっかく再開した恋人同士なのに引き裂かれ、ヒロインは満身創痍、国家間の政治的な問題が……って感じなのに、「ぞよ」「ぞろ」「にょろ」って、ああ締まらない! でもそれが! いい! 珍妙な言葉選びと明るく前向きで健気な主人公の性格が癖になります。

現在31話まで連載中、一緒にカズキの奇怪言語の虜になりましょう?


神様は、少々私に手厳しい!(作者:田上 伊音)