なろう少女小説のススメ

なろう小説の中でも少女小説っぽい作品(独断)をレビューします。

レビュー:純和風絵巻物語『笛愛ずる娘と音霊の神霊』

しっとり和風のお伽話をご紹介。

笛愛ずる娘と音霊の神霊』は、むかしむかしの日本のような、神様や妖かしが人間のすぐ隣に存在していた頃のお話。笹は貧しい家の長女として生まれ、器量よしではないがきょうだいの面倒をよく見る良い子。ただ、笛が好きで好きで、笛吹の笛を見せてもらって自分で作り始めてしまったほどの熱中ぶり。初めはへたくそだったのが、好きこそものの上手なれ、人ならざるものまで聞き入ってしまうほどの音色を奏でるようになります。ある夜、父親に笛を燃やされて家を追い出された笹は、この世のものでない美しさの少年・詩野と出会い、次を約束して別れます。それから笹は、親の決めた嫁ぎ先でつらい目に遭いながらも詩野と会う日を支えに暮らしていくのですが――。

素朴で朴訥な笹と、美貌の少年、詩野のコントラストが美しい。月夜の邂逅、響き渡る幽玄の笛の音、風のざわめきが聞こえてきそうなお話です。全16話完結済み。


笛愛ずる娘と音霊の神霊(作者:家守)